お気に入りの木のフォーク、年明けて使おうと思ったら欠けていた(泣)
こんな感じでフォークの歯の先端が欠けていた↓
山桜の木だから結構硬いはず。でもこのフォーク、かなり繊細な作りなんだよね。同じ部分が欠けているから、その部分が弱かったのかも。
4本あるうちの2本は無事だった↓
実はこのフォーク、金属のフォークをモデルに作ったもの。歯が先端まで細く長い。木製のフォークでここまでの作りはあまり見たことがない。
作り手さんに直してもらうのもいいけど、道具もあることだし、自力で直すことにした。
道具は
- 濡れ布巾
- 紙やすり(400番くらい)
- 小刀
この小刀、漆塗りの下地を作る時に使うヘラを作るための小刀です。塗師刀(ヌシガタナ、ヌシャガンナ)と読みます。ちょっとマニアックな刀ですね。漆の下地は産地によって変わります。
さてここからフォークを削る作業。
油性ペンで削る目安を書きます。
何も塗装がされていない木材だと油性ペンは染みるので、鉛筆の方がいいです。
今回は塗装面に印をつけるため油性ペンにしました。
見えにくいので歯にぐるっとしっかり書きます↓
鉛筆を削るように少しずつ削っていきます。
歯が細いのであまり力を加えると根本から折れるので、慎重に削るよ〜↓
歯の高さが揃いました↓
やっぱりこの木は結構硬かった。削るの結構大変でした。
形を紙やすりで整えます↓
この作業もガンガンやすると、フォークが折れるので慎重に。
立てたり、いろんな方向で均等にやすります↓
ちょっと野暮ったくなりました↓もともと長いフォークの歯が短くなったからしょうがないかな。
あとは摺漆(すりうるし)をやれば出来上がり。削った部分だけ漆で着色しちゃうと、色ムラが出るのでフォーク全体の漆をサンドペーパーで落としてからの方が確実です。
他の塗装材も同じで、塗り直しは前の段階まで戻ってから塗装するのが一般的。部分だけの塗り直しはムラが出るのでかなり難しい。
で、ここから漆の作業ですが漆がなかった…。漆をやってる友達にあげたんだった。
そういや今年の初夢が漆をやっている友達の家に遊びに行く夢だったり。
2日間同じ夢を見て、このフォークの欠けを発見したので微妙に予知夢を見た気分です…。
続きは漆を調達してからかな。
ちなみにフォークを置いていたこの台はテーパー台です↓
テーパーというのは傾きという意味。
木材工芸をやるとき、角度をつけた仕上げにするとき使います。この傾きに合わせてカンナで削ると同じ角度になるという優れもの。
これは45°の傾き。学生時代に自作しました。20年ぶりに出したぞ…。時が流れが恐ろしい。
話は変わりますが、昔作ったバターナイフが出てきました↓
欅の皮をもらって、それを削って作りました。もう10年以上前になるかな。欅なんで漆をかけるとめちゃめちゃ美しい艶になる。
でもちょっと漆の色が抜けてきたので、これも一緒に摺漆をしようと思いますー。